2024 年 39 巻 3 号 p. 287-292
78歳,女性。鼻尖部から鼻翼にかけて10 mm大の褐色腫瘤病変あり。87歳,男性。左鼻翼部に12 mm大の褐色腫瘤病変あり,共に皮膚生検にて基底細胞癌と診断。
マージン3 mmにて局所麻酔下に切除施行,人工真皮を固定し手術終了。病理組織学的に断端陰性を確認後に2期再建として耳介よりの軟骨を含む複合組織移植を施行し,共に良好な結果を得た。複合組織移植は移植片の特性から移植後の血流が乏しくなるため,いかに移植片への血流を保つかが重要であり,自験例でも接地面が最大となるように移植片の耳介よりの採取部位含めて工夫した。また自験例は移植時には共に15 mm大以内の皮膚欠損であり,比較的安全に移植可能なサイズであった。