2024 年 39 巻 3 号 p. 318-323
症例は74歳,女性。初診の約3年前から後頸部に瘙痒を伴う米粒大の常色丘疹が出現し,次第に範囲が拡大した。当科受診時には広範囲に毛包一致性の丘疹を認め,鳥肌様の局面を一面に形成していた。病理組織学的検査では,毛包内,毛包周囲に核の大小不同を伴うリンパ球の浸潤や,好中球,好酸球などの炎症細胞の稠密な浸潤がみられた。毛包内,毛包周囲に裂隙を認め,Alcian blue染色が裂隙に一致して陽性であり,ムチン沈着と考えられた。臨床像や病理組織像から毛包向性菌状息肉症(folliculotropic mycosis fungoides:FMF)と診断した。FMFは古典的MFより治療抵抗性で予後不良とされている。腫瘍浸潤が深いFMFにPUVA療法単独では治療効果が得られにくく,レチノイド内服もしくはインターフェロン静注とPUVA療法の併用が有効であることが示唆されている。自験例ではレチノイド内服とPUVA療法の併用が奏効した。