抄録
化学療法抵抗性mycosis fungoides/Sézary syndromeに対する治療選択に関するエビデンスを検索した。今回の検索では, randomized controlled trialは同定されず, phase II studyで有効性が示されたEPOCH療法, pentostatin±IFN-α-2a, fludarabine+IFN-α-2a, cladribine, gemcitabinについても奏効期間は一般に短く, 化学療法抵抗性症例に対するサルベージ療法として現時点で積極的に推奨できるものはない。症例報告および症例集積研究のレベルでは, 自家造血幹細胞移植併用大量化学療法の報告例の多くが短期間で再発しているのに対して, ミニ移植を含めた同種造血幹細胞移植では長期無病生存が得られており, 一部の症例では治癒の可能性も示されている。しかし, 移植関連合併症による死亡例も報告されているため, その適応と有効性の評価については今後の検討が必要である。