2004 年 19 巻 1 号 p. 80-89
キメラ型抗CD20モノクローナル抗体rituximabは補体依存性細胞障害反応や抗体依存性細胞介在性細胞障害反応における細胞活性を高め, さらにアポトーシスを誘導することにより, 単剤あるいは化学療法との併用で種々のB細胞リンパ腫に効果を示す。今までwatchful waitが中心であった初発進行期follicular lymphomaに対しては, 当初からのR-CHOP療法による治癒が期待されている。再発進行期follicular lymphomaに対してはAra-Cとの併用による優れたin vivo purging効果を利用した自家末梢血幹細胞移植併用の大量化学放射線療法が推奨される。Diffuse large B-cell lymphomaに対してはR-CHOP療法がCHOP療法に代わる標準療法となる可能性が示唆されている。Bulky massを有するfollicular lymphomaに対しては放射性同位元素を抱合したマウス型抗CD20モノクローナル抗体療法 (radioimmunotherapy) の効果が期待される。
内科領域における臨床研究を基に皮膚B細胞リンパ腫の各病型に対する抗CD20抗体療法の可能性を考察する。