European Society for HematologyとSociety for Hematopathologyの共同計画として進められた新WHO分類が2001年に教本として出版された。これは1994年に提唱されたREAL分類に基礎を置き, さらに臨床的有用性を検討し最終的な分類に至ったものであり, 国際的な規模と認識に立脚した初めての血液学的悪性腫瘍分類とみなされる。一方, これに先立ち1997年, European Organization for Research and Treatment of Cancer (EROTC) により皮膚リンフォーマのEORTC分類が提唱されている。この分類は臨床像, 組織像のみならず臨床経過, 治療に対する反応性, 予後まで考慮した分類で, 皮膚科臨床医にとって使いやすい点が多い。しかしながら幾つかの疾患分類上の問題点が指摘されており, 今後は皮膚リンフォーマにおいても新WHO分類をもとに, 共通の認識を持って基礎的, 臨床的研究がなされていくと考えられる。ここでは幾つかの疾患について両分類を対比しながらそれぞれの問題点について考察した。