Skin Cancer
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ヒト培養正常色素細胞の増殖, チロジナーゼ活性におよぼすTPA, H: 7, OAGの影響
堀越 貴志小野寺 英夫三浦 俊祐高橋 博之
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1989 年 4 巻 1 号 p. 95-102

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抄録

ヒト培養正常色素細胞 (以下MC) の増殖は, 発癌プロモーターであるTPA (12-O-tetradecanoyl phorbol acetate) が必須であり, 非存在下では, MCは, 死滅する。Cキナーゼの特異的阻害剤であるH: 7 (1- 〔5-Isoquinolin sulfony1〕 -2-methylpiperazine) は, 色素細胞の増殖を, 20μMで約64%, 50μMで85%抑制した。A-kinaseの刺激剤であるcholera toxinはH: 7の増殖抑制効果を, 50%回復させた。H: 7はチロジナーゼ活性に対しては, 有意な影響を与えなかった。Cキナーゼの活性化を促すOAG (oleoy1-2-acetylglycerol) は, 色素細胞の増殖を阻止した。H: 7は, OAGのMC増殖抑制効果を軽減した。Cキナーゼの活性化は, 培養MCに対し増殖抑制に働くことが示唆された。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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