皮膚の科学
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症例
クリンダマイシン製剤による多発性非色素沈着型固定薬疹の1例
―非色素沈着型固定薬疹の報告例の集計―
五木田 麻里高橋 阿起子仲田 かおり堀川 達弥
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2012 年 11 巻 5 号 p. 403-408

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抄録
非色素沈着型固定薬疹の1例を報告した。28歳,女性。2009年7月,クリンダマイシンとベタメタゾンの点滴を1回施行され,数日後より,頸部や左上腕,腰部,左大腿にそう痒を伴う紅斑が出現し,数日で色素沈着を残さずに消失した。2010年11月,再びクリンダマイシンとベタメサゾンの点滴を受け,同様の皮疹が出現した。クリンダマイシンの点滴注射の誘発テストで同様の皮疹が再現され,パッチテストではクリンダマイシンで陽性であり,クリンダマイシン製剤による多発性非色素沈着型固定薬疹と診断した。クリンダマイシン製剤による薬疹の報告は少ない。また,非色素沈着型固定薬疹は国内外で50例報告されているが,クリンダマイシン製剤による報告は自験例以外にはなかった。(皮膚の科学,11: 403-408, 2012)
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© 2012 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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