皮膚の科学
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症例
リドカイン塩酸塩によるアナフィラキシーの1例
古川 紗綾佳夏秋 優山西 清文
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2012 年 11 巻 5 号 p. 409-412

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抄録
29歳,女性。26歳時に歯科治療を受けた際,および29歳時の下顎縫合を受けた際に,キシロカイン®での局所麻酔を施行された数分後にアナフィラキシー症状が出現したため,精査目的で当科を受診した。皮膚テストではリドカイン塩酸塩とメピバカイン塩酸塩が陽性,ジブカイン塩酸塩とプロカイン塩酸塩,アミノ安息香酸エチル,そして防腐剤であるメチルパラベンは陰性であったため,本症例をリドカイン塩酸塩によるアナフィラキシーと診断した。局所麻酔薬を使用した際にアナフィラキシー様症状を訴える患者を少なからず経験するが,実際に,皮膚テストでリドカイン塩酸塩に対する即時型アレルギーが証明される例は稀である。(皮膚の科学,11: 409-412, 2012)
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© 2012 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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