29歳,女性。26歳時に歯科治療を受けた際,および29歳時の下顎縫合を受けた際に,キシロカイン
®での局所麻酔を施行された数分後にアナフィラキシー症状が出現したため,精査目的で当科を受診した。皮膚テストではリドカイン塩酸塩とメピバカイン塩酸塩が陽性,ジブカイン塩酸塩とプロカイン塩酸塩,アミノ安息香酸エチル,そして防腐剤であるメチルパラベンは陰性であったため,本症例をリドカイン塩酸塩によるアナフィラキシーと診断した。局所麻酔薬を使用した際にアナフィラキシー様症状を訴える患者を少なからず経験するが,実際に,皮膚テストでリドカイン塩酸塩に対する即時型アレルギーが証明される例は稀である。(皮膚の科学,11: 409-412, 2012)
抄録全体を表示