皮膚の科学
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症例
インスリン投与法の変更が有効であり吸収障害が示唆された糖尿病性浮腫性硬化症の7例
濱井 公平野村 尚史松井 美萌陳 文岡本 英一
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2015 年 14 巻 2 号 p. 79-84

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抄録

糖尿病性浮腫性硬化症によりインスリン治療抵抗性を示した7例を報告する。患者は55才から87才(男4:女3)で,インスリン注射部位は適切にローテーションされており,同部位に外傷や瘢痕はなかった。しかし病理組織学的には注射部位の真皮が高度に肥厚しており,浮腫性硬化症と診断した。以上から真皮肥厚がインスリン反応不良の原因と考え,注射角度又は部位の調整・変更を指導したところインスリン反応性が改善した。一般的に浮腫性硬化症は後頸部に好発するが,広域に発症しうると考える。従って,インスリン治療抵抗性を示す糖尿病患者では,糖尿病性浮腫性硬化症がインスリン吸収障害の一因である可能性を考えるべきである。(皮膚の科学,14: 79-84, 2015)

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© 2015 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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