皮膚の科学
Online ISSN : 1883-9614
Print ISSN : 1347-1813
ISSN-L : 1347-1813
症例
同胞に家族歴のあるサルコイドーシスの1例
野村 祐輝植田 郁子山﨑 文和神戸 直智岡本 祐之
著者情報
ジャーナル 認証あり

2017 年 16 巻 2 号 p. 125-128

詳細
抄録

60歳代,女性。飛蚊症があり,眼科を受診したところ,サルコイドーシスを疑われ,当科に紹介された。血液検査では血清 ACE 値と sIL-2R の上昇,胸部単純 CT では縦隔内リンパ節腫大と左肺下葉に多発結節を認めた。右膝蓋に紅色の点状病変があり,同部位からの皮膚生検で非乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫がみられたためサルコイドーシスと診断した。家族歴として,兄が20代でサルコイドーシスの肺病変を指摘され,姉も20代で口唇の腫脹からサルコイドーシスと診断されている。弟,妹,両親に発症はなかった。家族性サルコイドーシスは同胞に多く,同一家系内での発端者と二次患者の推定発症年齢差は少ないと報告されている。自験例では同胞の発症年齢との差があり,まれな例と思われた。(皮膚の科学,16: 125-128, 2017)

著者関連情報
© 2017 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top