皮膚の科学
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症例
膵管内乳頭粘液腫瘍に伴った皮下結節性脂肪壊死症の 1 例
西平 守明太田 朝子竹原 友貴
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2019 年 18 巻 6 号 p. 349-352

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抄録

84歳,男性。 1 週間前から両下腿に有痛性皮下結節が出現した。結節性紅斑を疑い同部の皮膚生検を行った。病理組織学検査で ghost-like cell を認め,皮下結節性脂肪壊死症と診断した。膵疾患の関連を疑い精査を行った。膵系酵素高値(血清アミラーゼ 2,244 IU/l,血清リパーゼ 306 U/l)に加えて,腹部超音波と MRCP で嚢胞性病変と主膵管の拡張を認め,膵管内乳頭粘液腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasmIPMN)と診断した。本症例では皮下結節性脂肪壊死症の診断を契機に IPMN の診断に至った。皮下結節性脂肪壊死症は膵疾患の臨床症状に先行する場合があり,本症の早期診断は膵疾患の早期発見のために重要である。 (皮膚の科学,18 : 349-352, 2019)

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© 2019 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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