皮膚の科学
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綜説
遺伝性皮膚疾患の遺伝子IV
—細胞機能の基本にかかわる遺伝子の異常—
喜多野 征夫
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2003 年 2 巻 6 号 p. 511-517

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抄録

細胞の活動の根幹にかかわる物質の異常が,いくつかの遺伝性皮膚疾患の原因であることが明らかにされた。Werner症候群,Rothmund-Thomson症候群,Bloom症候群の3つの症候群は染色体の不安定性を示し,癌の発生率が高く,早老症が生じる。これらの症候群ではヘリカーゼの異常が認められた。表皮ケラチノサイトの棘融解とデスモソームの形成不全が見られるDarier病とHailey-Hailey病においてはCa2+ATPaseポンプの異常が原因であることが明らかにされた。ケラチノサイトの培養において,低 Ca2+濃度の培地では密着帯とデスモソームの形成は起こらないことはよく知られているが,細胞内Ca2+がこの際にどのような動きを示しているかに関しては充分解析されていない。NF-κBは転写因子として多くの遺伝子の発現を調節し,免疫,炎症などにおいて重要な役割を演じている。NF-κBを活性化するIκB kinaseの一部を構成しているNEMOの遺伝子の変異が色素失調症で見出された。

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© 2003 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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