皮膚の科学
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症例
皮膚石灰沈着症
塩酸ジフェンヒドラミン・臭化カルシウムの自己注射により多発病巣を生じた1例
猿喰 浩子井上 千津子
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2003 年 2 巻 6 号 p. 518-521

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抄録

65歳女性。右鼡径部と左大腿後面の潰瘍局面,両臀部,両下肢と上腕の多数の硬結を主訴に受診。両下肢のX線写真で大小種々の石灰沈着像がみられた。血清Ca,P値は正常。抗核抗体陰性。組織で真皮から皮下に石灰沈着がみられた。洗浄とデブリドメントにより,砂状~小石大の白色石灰化物を摘出し縫縮と一部植皮術を施行し略治した。患者は不眠のため塩酸ジフェンヒドラミン・臭化カルシウムを1965年から約12年間,総量約2万本もの量を皮下や筋肉内に自己注射していた既往歴がある。自己注射により皮膚石灰沈着症を生じた報告は稀であるが,頻回の注射による外傷や組織障害,カルシウム塩そのものが要因となり広範囲に石灰沈着を生じたと考えられる。

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© 2003 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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