皮膚の科学
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症例
抗ラミニン γ1 類天疱瘡と抗ラミニン332型 粘膜類天疱瘡を合併した 1 例
岩津 理世佐藤 雅子加藤 麻衣子柳原 茂人大磯 直毅立石 千晴橋本 隆鶴田 大輔川田 暁大塚 篤司
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2022 年 21 巻 2 号 p. 126-132

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抄録

77歳,男性。初診の 1 週間前から手足に紅斑と水疱を認めた。その後皮疹が全身に拡大し,粘膜にもびらんを認めたため,精査加療目的で当科に紹介された。初診時,体幹・四肢に紅斑と水疱が多発しており,口唇・口腔内・陰茎にびらんを認めた。抗 BP180-NC16A 部位抗体,抗デスモグレイン 1 3 抗体は陰性であった。病理組織にて好酸球浸潤を伴う表皮下水疱,蛍光抗体直接法で表皮基底膜部に C3 の線状沈着を認めた。1M 食塩水剥離皮膚を基質とした蛍光抗体間接法では,IgG 抗体が真皮側に反応した。正常ヒト真皮抽出液を用いた免疫ブロット法にて患者血清 IgG 抗体は 200 kDa ラミニン γ1p200)に反応し,ラミニン332リコンビナント蛋白を用いた免疫ブロット法で 165 kDa ラミニン α3 に反応した。臨床症状と病理所見,蛍光抗体直接法,蛍光抗体間接法,免疫ブロット法の結果より,抗ラミニン γ1 類天疱瘡と抗ラミニン332型粘膜類天疱瘡の合併と診断した。プレドニゾロン 1 mg/kg/日点滴を行ったところ,新生水疱を認めなくなり,紅斑は退色,びらんは上皮化した。その後,プレドニゾロンを漸減したが,皮膚・粘膜症状は再燃しなかった。自験例では皮膚・粘膜症状は重篤であったが,ステロイド全身投与が速やかに奏効した。 (皮膚の科学,21 : 126-132, 2022)

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© 2022 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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