皮膚の科学
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症例
食道癌術後胃管癌からの左上口唇転移性印環細胞癌の 1 例
花本 眞未北嶋 友紀四十万谷 貴子寺井 沙也加中丸 聖槇村 馨金田 浩由紀笠井 健史清原 隆宏
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2022 年 21 巻 2 号 p. 138-143

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抄録

73歳男性,左上口唇の 7mm大の淡紅色結節。真皮全層に紡錘形あるいは類上皮様の異型細胞が線維化を伴い錯綜しながら増殖していた。所々に dPAS および alcian blue 陽性のシアロムチンを含む印環細胞を伴っていた。免疫染色で CK7CK20CDX2 陽性,TTF-1napsin A 陰性であった。消化管内視鏡検査では病変はなく,画像検査では右肺底部に腫瘤が確認された。患者は63歳時に食道癌を発症し食道亜全摘および胃管再建術を施行されていた。67歳時に胃管癌摘出を受け,その時胃管は右胸腔に挙上されており,最終病理診断は低分化型腺癌で漿膜浸潤を伴っていた。免疫染色から原発性肺癌は否定的で,胃管癌が肺に直接浸潤し,血行性に皮膚転移を生じたと考えた。 (皮膚の科学,21 : 138-143, 2022)

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© 2022 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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