2022 年 21 巻 2 号 p. 86-90
75歳,女性。約 1 年前より右腰部に紅斑を認めていた。前医の皮膚生検では,肥厚した表皮上層に限局して明るい胞体をもつ腫瘍細胞の増殖を認め,軽度の錯角化を伴っていたため,乳房外 Paget 病を疑われた。当科で再生検を施行したところ,表皮全層性に極性が失われ,異型な角化細胞が増殖し,異常角化細胞が散在していた。また,表皮中層から上層に明るい胞体を有する異型な pagetoid cell がみられた。腫瘍細胞は,PAS 陽性(ジアスターゼ消化性),alcian blue 陰性,CK5/6 陽性,CAM5.2 陰性,CEA 陰性,GCDFP15 陰性,S-100 蛋白陰性であることから,pagetoid Bowen 病と診断した。Pagetoid Bowen 病の確定診断に,組織化学染色と免疫組織化学染色が有効であった。 (皮膚の科学,21 : 86-90, 2022)