2008 年 7 巻 2 号 p. 205-208
皮膚子宮内膜症の2例を報告した。症例1:31歳,女性。妊娠,手術歴なし。初診の1週間前より左鼠径部に疼痛を伴う腫瘤を自覚した。産婦人科を受診し子宮,卵巣に異常なく,当科へ来院した。CTで同部皮下に腫瘤を認め,局所麻酔下に腫瘤を切除した。病理組織HE像にて皮膚子宮内膜症と診断した。症例2:48歳,女性。経膣分娩歴2回。手術歴なし。初診の約2年前より,臍部に月経時の疼痛を伴う腫瘤を自覚し徐々に増大したため,当科へ来院した。初診時,臍部に径3cmの茶褐色腫瘤を認めた。生検病理組織HE像にて,皮膚子宮内膜症と診断した。外科治療は希望されず,子宮腺筋症の合併がみられたため,以後は婦人科を定期受診している。