脳と免疫系との間には,相互対話が存在し,神経・内分泌系における外界および内界情報と免疫系にとっての外界(異物,微生物)および内界(腫瘍,自己抗原など)情報のクロストークによる制御機構は,「脳・免疫系連関」という概念でとらえられ,種々のストレス応答に関与していることが明らかになってきた。本稿では,「脳・免疫系連関」モデルとして,(1)拘束ストレスによる脾臓ナチュラルキラー(NK)細胞活性の抑制,(2)遅延型過敏症による接触性皮膚炎における侵害受容C線維の関与,(3)感染ストレス時の疲労の中枢神経機序,について概説し,「脳・免疫系連関」の意義について考察する。