皮膚の科学
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Sentinel node biopsyを行った右耳前部悪性黒色腫の1例
米澤 理雄岸 達郎松村 康洋森田 和政高橋 健造立花 隆夫宮地 良樹
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キーワード: 悪性黒色腫, 頭頸部
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2002 年 1 巻 4 号 p. 285-289

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抄録

40歳, 女性。幼少時より右耳前部に色素斑があった。平成12年1月頃より同色素斑 (18×12mm) 上に赤褐色結節 (9×7mm) が生じたため, その4カ月後に近医を受診した。全摘生検 (excisional biopsy) を施行され, 悪性黒色腫と診断されたため当科を紹介受診した。拡大切除と同時に行なったパテントブルーを用いたsentinel node biopsyでは浅頸リンパ節が染まり, その病理組織で腫瘍細胞が陽性であったため右頸部リンパ節郭清術を施行したが, 耳下腺浅葉を含む他の頸部リンパ節には新たな転移巣を認めなかった。また, 他臓器への転移もみられなかったため, 本例をsentinel lymph nodeへの転移を認めた表在拡大型悪性黒色腫 (Stage III; pT4a N1 M0, UICC, 1997) と診断した。
今後はSNBにより転移の有無を確認してからリンパ節郭清を行うという治療方針が定着するものと思われる。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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