抄録
ロボティクスは,バーチャルリアリティという言葉が出現する以前から,テレイグジスタンスなどを通してVRとは密接に関連する分野である.アールキューブは,このテレイグジスタンス技術とネットワーク技術を融合させ,ネットワークを通して世界中に存在するロボットをあたかも自分がロボットに成り代わったかのような臨場感覚を有して制御し行動することを目指す構想である.本稿では,VRの立場から見たアールキューブの技術的背景および現在進められている研究開発,中でもヒューマノイドロボティクスプロジェクト(HRP)における遠隔制御用コックピットと,インターネット経由で遠隔ロボットを操作するソフトウェア体系であるRCML (R-Cubed Manipulation Language)をピックアップして解説し,将来の課題と展望について述べる.