バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
25 巻, 2 号
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解説
  • 田村 秀行
    原稿種別: 本文
    2001 年 25 巻 2 号 p. 58-61
    発行日: 2001/05/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    「複合現実感」(Mixed Reality)は,現実世界と仮想世界を融合した複合環境を構築・描出する技術である.現実世界のもつ情報の豊かさと,電子的に生成した仮想空間のもつ柔軟性のそれぞれの長所を生かすことにより,従来のバーチャルリアリティ技術の限界を打破することが期待されている.本稿では,実写データを活用して仮想空間のリアリティを上げる方法と,現実空間にコンピュータグラフィックスで生成した映像を重ね合わせて体験する技術に大別して,それぞれの分野の現状と今後の展開について概観する.
  • 柳田 康幸, 舘 〓
    原稿種別: 本文
    2001 年 25 巻 2 号 p. 62-65
    発行日: 2001/05/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    ロボティクスは,バーチャルリアリティという言葉が出現する以前から,テレイグジスタンスなどを通してVRとは密接に関連する分野である.アールキューブは,このテレイグジスタンス技術とネットワーク技術を融合させ,ネットワークを通して世界中に存在するロボットをあたかも自分がロボットに成り代わったかのような臨場感覚を有して制御し行動することを目指す構想である.本稿では,VRの立場から見たアールキューブの技術的背景および現在進められている研究開発,中でもヒューマノイドロボティクスプロジェクト(HRP)における遠隔制御用コックピットと,インターネット経由で遠隔ロボットを操作するソフトウェア体系であるRCML (R-Cubed Manipulation Language)をピックアップして解説し,将来の課題と展望について述べる.
  • 伊関 洋, 南部 恭二郎, 杉浦 円, 村垣 善浩, 川俣 貴一, 堀 智勝, 高倉 公朋
    原稿種別: 本文
    2001 年 25 巻 2 号 p. 66-70
    発行日: 2001/05/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    医療のあらゆる局面を「可視化」することによって、患者にとっても医療スタッフにとっても状況が分かりやすくなり、安全・確実・迅速な医療サービスを保証できるようになる。可視化された情報をチームで共有し、チームによる客観的で適切な意思決定と作業分担を行い、さらにIT技術を駆使した情報管理・シミュレーション・データベースによる治療過程の「可視化」を活用することによって、高いレベルで品質が安定した医療を確実に提供することが21世紀の医療システムである。
  • 関 喜一
    原稿種別: 本文
    2001 年 25 巻 2 号 p. 71-74
    発行日: 2001/05/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    本稿では,視覚障害者のためのVR技術について,晴眼着用VRとの違いについて述べ,次に聴覚と触覚に情報を提示する形式にわけてその原理と応用例を紹介した.聴覚VRについては,頭部伝達関数を用いた音響VRの原理と,視覚障害児教育への応用例,及び視覚障害者歩行補助への応用例を紹介し,続いて視覚障害者の障害物知覚について説明し,その訓練を行うための音響VR技術の例を紹介した.また,過去に行われた歩行補助装置の研究についても概説した.触覚VRについては,数少ない研究事例の中から,ピンディスプレイを用いた視覚障害者用3次元触覚情報提示装置の研究を紹介した.
  • 井野 秀一
    原稿種別: 本文
    2001 年 25 巻 2 号 p. 75-80
    発行日: 2001/05/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    人工現実感(VR)という言葉が生まれてから約10年が経った.この間,人間とコンピュータとの新しいインタフェースの設計,臨場感の生成メカニズムの解明,医療福祉・教育・製造・アミューズメント分野への応用など,従来の学問領域を越えた学際的な研究組織によるさまざまなVR研究の成果が生まれ,私たちの生活にも少しずつ身近な技術となってきた.一方で,このような新しい科学技術は私たちの生活にとって魅力的な道具になると同時に,使い方を一歩間違えると私たちに悪影響を与える危険性も潜んでおり,その事前評価は技術開発同様に大切である.ここでは,北海道大学とMRシステム研究所が1997年から4年間にわたり共同で進めてきた「MR刺激の生体影響評価」について紹介し,安全なVRシステム構築に向けたガイドラインの策定に関連する研究成果と今後の展望について述べる.
研究
  • 内田 宗恒, 柴田 克成, 鄭 心知, 伊藤 宏司
    原稿種別: 本文
    2001 年 25 巻 2 号 p. 81-87
    発行日: 2001/05/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    病気や不慮の事故により下肢を切断してした人のために,現在まで数多くの義足が開発されている.下腿義足では,着地時のエネルギーをバネに蓄え推進力を獲得させるエネルギー蓄積型足部が開発され,義足歩行に有効に働いていることが示されている.しかし,これを大腿義足に使用する場合膝関節との協調が必要となる.特に足・膝の両関節に粘弾性機構を設けると調整が非常に難しくなる.そこで,本研究では目標速度に合わせた足・膝関節粘弾性の設計法を提案する.また,両関節の粘弾性機構によりエネルギーの蓄積と解放が行われそれが歩行に利用されていることを,エネルギー蓄積機構を表現したポテンシャル関数から考察する.
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