練習を繰り返すことにより運動技能は向上する.身体の柔軟性はこのときどのように変化しているのだろうか.表面筋電図を用いた方法により,学習に伴い剛性が低下すること,また失敗が直後の試行の剛性に影響を与えることがわかった.これは内部モデルを用いた予測的制御と剛性を用いたフィードバック制御がうまく組み合わされていることを示す.また,不安定な状況では,剛性を予測的,適応的に変化させて対応しており,生体がインピーダンスコントロールを実現していることがわかった.このように,神経系は外界を予測し,巧みに適応している.このような機能に注目したリハビリテーションの可能性を探ることも有用であろう.