抄録
近年, 自動車衝突時の乗員の挙動を計算機上で解析し傷害発生メカニズムを解明することを目的として, 人体の有限要素モデルが開発されている. この人体モデルは, 人体の解剖学的構造を有限要素でモデル化し, 組織を構成する各要素に実験で得られたその組織の材料特性を与えることにより作られている. モデルの妥当性は, 欧米で実施されている屍体実験やボランティア試験データと比較することにより評価されている. 計算機能力の向上に伴い, 最近, 内臓や脳の傷害発生メカニズムを解明することを目的としたより詳細な有限要素モデルが開発されている. また, 種々の体型·性別·姿勢·年齢を有する人体モデルも開発されている.