バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
27 巻, 3 号
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解説
  • 小野 古志郎
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 27 巻 3 号 p. 110-115
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/02/27
    ジャーナル フリー
    自動車乗員保護のためのバイオメカニクス研究は, 衝撃などの外力条件の違いによって発生する人体の傷害あるいは生命の危険性を如何に防護あるいは保護するかといった方策を適切に知る手段と言える. 本解説では, 1)自動車安全性向上におけるバイオメカニクス研究の位置づけを行い, 2)人体傷害の捉え方, 3)人体傷害度のスケーリング, 4)後遺障害度のスケーリング, 5)人体傷害と衝撃応答, 6)加齢あるいは性別による人体衝撃耐性の違い, 7)傷害評価ツールとしての人体モデルの現状について概説する.
  • 岩本 正実, 渡辺 功, 大森 潔
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 27 巻 3 号 p. 116-120
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/02/27
    ジャーナル フリー
    近年, 自動車衝突時の乗員の挙動を計算機上で解析し傷害発生メカニズムを解明することを目的として, 人体の有限要素モデルが開発されている. この人体モデルは, 人体の解剖学的構造を有限要素でモデル化し, 組織を構成する各要素に実験で得られたその組織の材料特性を与えることにより作られている. モデルの妥当性は, 欧米で実施されている屍体実験やボランティア試験データと比較することにより評価されている. 計算機能力の向上に伴い, 最近, 内臓や脳の傷害発生メカニズムを解明することを目的としたより詳細な有限要素モデルが開発されている. また, 種々の体型·性別·姿勢·年齢を有する人体モデルも開発されている.
  • 吉田 良一
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 27 巻 3 号 p. 121-127
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/02/27
    ジャーナル フリー
    わが国では平成12年に6歳未満の子どもへのチャイルドシート使用を義務付けた改正道路交通法が施行された. これは子どものチャイルドシート着用率を向上させ, その結果として乗車中の子どもの死傷低減に少なからず貢献してきていると考える. 一方, 側突時の子ども乗員保護にいち早く取り組んできた欧米ではチャイルドシートの安全研究や規格·基準の整備, 着用義務化などはかなり先行しており, 現在討議が進められている安全課題は“側突時の子ども乗員保護”である. 我々は世界が次の課題として側突時の子ども乗員保護に向かいつつある事を認識し, 世界に遅れることなく安全なCRSの研究開発を行っていかなければならない.
  • 石川 博敏
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2003 年 27 巻 3 号 p. 128-133
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/02/27
    ジャーナル フリー
    日本では, 高齢者人口の増加に伴って高齢歩行者の死者数および負傷者数は著しく増大しているが, 子供歩行者の死者数と負傷者数はいずれも減少傾向を示している. 歩行者の傷害部位と車両の加害部位の関係は近年大きく変化しており, 車体前面形状の変化がその要因の一つと考えられる. 歩行者の挙動は車体前面形状によって変化し, 歩行者の身長差や加齢による衝撃耐性の変化も傷害部位や傷害程度に大きな影響を及ぼす. 歩行者の傷害部位をみると, 死亡事故では頭部が多く, 負傷事故では下肢が多い. 歩行者の傷害程度は車両加害部位の変形特性(剛性)に大きく依存することから, 歩行者の各傷害部位(頭部や脚部など)を模擬したインパクタ(衝撃子)を主な車両加害部位(ボンネットやバンパーなど)に衝突させ, 車両の歩行者保護性能を評価する試験法が検討されている.
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