2004 年 28 巻 2 号 p. 84-90
急速な高齢化社会が起こす膝関節障害にとても関心が高まっている.全人工膝関節置換術(TKA)は,損傷した関節を人工的なものと置換し,膝の痛みを緩げる手術法の一つである.しかしながら,ポリエチレンインサートの摩耗はTKAの耐用期間を縮めている.この摩耗への影響因子として,膝の複雑な6自由度運動が挙げられる.そこで本研究では,人工膝関節シミュレータ装置を開発し,モバイルベアリング式人工膝関節摺動面の相対運動を実験的に解析することにより,デザインと運動機能の関係を検討した.