ペットロボットは身体を持つことを特徴として,人間とコミュニケーションする機械である.つまりロボットの身体は表現のためにある.しかし身体表現はあいまいで複雑なものであり,ロボットの身体表現を生成するアルゴリズムを作ることは難しい.本稿では,動物行動学や舞踊学の知見に基づいて,ロボットを生き物らしく振舞わせるための要件を,その実験例と共に考察する.具体的にはLaban, Kestenberg,Huntらの理論に基づいて,適切な心理的印象を与えるために,身体動作の力学的特徴・幾何学的特徴・筋緊張のリズムを設計する方法を紹介する.ペットロボットの応用の動向も紹介する.
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