2004 年 28 巻 3 号 p. 129-135
本稿では,監視社会化が進みつつある中,急増するカメラ付きケータイの「位置」を探ることを目的とする.カメラ付きケータイは個人的な「楽しみ」のために利用されているものの,監視システムがネットワーク化,データベース化する中で,結果として,監視のための「端末」となる可能性をもっている.そこで,監視カメラの遍在する現状を紹介しながら,今日的な監視システムをとらえるには相互監視モデルが有効であることを示した上で,そのようなシステムの拡がりを,「安全」「信用」「配慮」という三つのキーワードで分析し,カメラ付きケータイが占める「位置」を模索する.