バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
音楽における情報工学と音響工学
柳田 益造
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2006 年 30 巻 1 号 p. 8-16

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抄録

ここ20年ほどの間にコンピュータによって音楽を扱う機会が飛躍的に増えた.それはMIDI規格が浸透し,キーボード付きのシンセサイザやエレキギターあるいは一部の管楽器やドラムスまでもがMIDI規格でコンピュータに接続できて,リアルタイムで情報交換できるようになったからである.さらに,MIDI規格の音楽ソフトが多数市販され,やろうと思えば素人でも自分で「作曲」し,「演奏」できるようになった.しかし,現在,純音楽の分野でMIDI 楽器やコンピュータを使って音楽活動をしている人はほとんどいない.それはなぜか,またコンピュータは音楽,特に作曲にどこまで使えるのかを,20世紀の音楽を振り返りながら,情報科学/工学,音楽/音響工学の観点から考える.

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© 2006 バイオメカニズム学会
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