バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
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脳卒中後の歩行再獲得と転倒
畠中 めぐみ三原 雅史矢倉 一宮井 一郎
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2006 年 30 巻 3 号 p. 128-131

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抄録
脳卒中後の歩行の再獲得について,臨床的な回復機序は急性期とそれ以降では異なる.リハビリテーション後の歩行再獲得の可能性とそれに要する期間は重症度と発症からの時間に依存する.歩行再獲得の過程で転倒を生じるリスクは高い.その原因として外的要因より内的要因のほうが重要視されているが,有効な介入法に関する明らかなエビデンスはない.光イメージングをもちいた研究では,片麻痺患者の歩行再獲得に寄与する脳内機構として,一次感覚運動野活動の対称性や,運動関連領野の賦活が歩行改善と関わっていることが明らかになった.運動関連領野は片麻痺歩行の改善だけでなく,失調性歩行への代償や速度や外乱への適応にも重要な役割を果たすことが示唆されており,転倒防止のための介入を考える上で新しい視点になる可能性がある.
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© 2006 バイオメカニズム学会
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