抄録
水素吸蔵合金は,水素を大量に貯蔵する機能をもっているだけでなく,水素化反応によるエネルギー変換機能をもっている.この特殊な物性に着目したアクチュエータが水素吸蔵合金アクチュエータである.合金に与えられる熱エネルギーを水素ガスの圧力という機械エネルギーに変換し,出力として利用する.シンプルな構造ながら,高出力重量比・柔軟性・静音性などのユニークな特性がある.これらの性質は,ヒトとの直接的な接触動作が求められる機械システムのヒューマン・マシン・インタフェースに対して特に有用である.本稿では,水素吸蔵合金の性質,それを利用したアクチュエータの動作原理と特徴について概説し,動作支援システムへの応用の試み(座面昇降型車いす・移乗介助装置・起立動作支援クッション・関節リハビリ装置・パワーアシスト装置)を紹介し,将来展望と今後の課題について述べる.