バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
排泄のための住環境整備
野村 歡
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 32 巻 4 号 p. 208-214

詳細
抄録

住環境が整備されていないばかりに,数多くの高齢者や障害者が生命維持のために欠かせない排泄行為に著しく不便・不自由を感じている.不便・不自由の原因は排泄行為が「戸・扉の開閉」「衣服の脱ぎ着」「便器への座り」「後始末」などの多くの動作を狭いスペースで行なわなければならないこと,排泄は人間にとって最もプライベートな行為であるが故にトイレにはもともと「介助スペースは配慮されていない」ことなどがその原因といえる.本稿はこれらの諸動作に対する個々の住環境整備を検討しつつトイレ全体の環境整備について考察する.さらに,トイレ以外で行われる排泄行為に対する住環境整備についても言及する.

著者関連情報
© 2008 バイオメカニズム学会
前の記事 次の記事
feedback
Top