抄録
宇宙航空研究開発機構は,2008年度に国内の研究者の協力を得て,月面滞在ミッションに必要な運動生理学に関する検討を行った.月面滞在ミッションでは,ISSミッションでの0Gと1Gの重力環境への対策に加えて,1/6Gの月面重力環境に対する生理学的対策が必要となる.月面歩行は,地上の歩行と異なるホッピング歩行で,介助要員がないため転倒のリスクが高まる.船外宇宙服を着用すると重心移動して歩行することになり,月面重力環境での最適な運動制御技術が必要である.月面運動生理学分野で期待される日本の技術としてシミュレーション・ロボット技術や,月面重力環境を模擬する地上検証技術などの可能性を紹介する.