バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
研究
皮膚血液循環評価装置の開発とその臨床応用
羽賀 知行伊部 亜希阿曽 洋子宮嶋 正子石澤 美保子高田 幸恵田丸 朋子本多 容子
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2010 年 34 巻 2 号 p. 132-141

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抄録
皮膚の血液循環状態を評価することは皮膚の状態を診断する上で非常に重要である.本研究では,局所皮膚疾患の一つである褥瘡の発生予測を早期に行うために,非侵襲的な血液循環評価装置の試作開発を行った.本報は,その開発手法および実験結果について報告する. 皮膚に局所的な熱刺激を与えたとき,その温度応答(温度伝導率)は局所皮膚領域の血液循環状態を評価することになる.局所皮膚領域生体熱移動モデルを構築し,それを数値解析することにより皮膚の温度伝導率を推定する手法を開発した.実証実験により,温度伝導率と血流量との間に線形相関があることを明らかにした.また,温度伝導率は褥瘡発生リスク要因とも関連性のあることがわかった.この結果は,本試作装置の有用性を示すとともに,温度伝導率により局所の皮膚血液循環状態を評価できる可能性を示している.さらに,温度伝導率は褥瘡発生リスクの一要因となりうる可能性があることを示唆している.
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© 2010 バイオメカニズム学会
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