抄録
呼吸器疾患や整形外科疾患に対して胸郭の機能評価を行う臨床的意義は大きい.特に臨床上,肋骨の配列の悪化は胸郭自体の機能低下につながる.また,その定着により身体各文節の機能低下に波及する可能性が高いため,肋骨の配列の評価は重要項目となる.肋骨の配列は通常前額面を基準とし,肋骨の偏位,すなわち左右同レベルの比較により胸郭の凹凸状の形態を観察する.しかしながらこのような胸郭形状を非侵襲的な計測により再現し分析されたことが医学や医療の領域では少ない.
呼吸運動をはじめとし,様々な課題での胸郭形状変化の検証は新たな知見を得ることのできる可能性を十分含んでいるといえる.
そこで今回はデジタルカメラの画像を使用し,撮影した対象物を3 次元的に再現できる3D イメージメジャラーQM-3000を用い,健常成人一例を通して呼吸時の上部および下部胸郭の形状変化を捉えた.ここではその計測方法と計測結果に基づく分析も行ったので加えて解説する.