抄録
呼吸運動は歩行と同様に律動的な運動ではあるが,肋骨と横隔膜の複雑な動きで構成されている.従って呼吸運動を運動現象学的に測定するには,三次元動作解析装置や放射線による透視などが必要となる.しかし,これらは設備的な制限,生体への侵襲の大きさという点から臨床的利用としては実用性に乏しい.
本解説では,医療機関であれば設置されており,侵襲の少ない超音波診断装置を利用し,体表から簡易的に肋骨と横隔膜の動きを測定できる方法を提案する.超音波による測定は横隔膜で二つの方法が報告されているが,肋骨では報告が無い.本解説では肋骨と横隔膜を直接とらえる手法で得たデータと共に臨床応用できる測定方法を考えていきたい.