バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
36 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
解説
  • 仲保 徹
    2012 年 36 巻 3 号 p. 131
    発行日: 2012年
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル フリー
  • 清水 優史
    2012 年 36 巻 3 号 p. 132-137
    発行日: 2012年
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル フリー
    長い首が呼吸の妨げになっていると言われるキリンの呼吸に関するパラメータを測定する目的で,腹部表面の呼吸に伴う変位をステレオカメラシステムを使用して測定することが試みられた.その中で縞模様が有効なターゲットになることが知られた.ステレオカメラシステムによるターゲットの変異計測から,呼吸量を推定する方法の精度が,人の実験によって調べられた.その結果,カメラを腹部の半分を見られる適当な位置に設置すれば,ある程度の精度で測定が可能と考えられる結果が得られた.
  • 柿崎 藤泰, 石塚 達也
    2012 年 36 巻 3 号 p. 138-141
    発行日: 2012年
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル フリー
    呼吸器疾患や整形外科疾患に対して胸郭の機能評価を行う臨床的意義は大きい.特に臨床上,肋骨の配列の悪化は胸郭自体の機能低下につながる.また,その定着により身体各文節の機能低下に波及する可能性が高いため,肋骨の配列の評価は重要項目となる.肋骨の配列は通常前額面を基準とし,肋骨の偏位,すなわち左右同レベルの比較により胸郭の凹凸状の形態を観察する.しかしながらこのような胸郭形状を非侵襲的な計測により再現し分析されたことが医学や医療の領域では少ない.  呼吸運動をはじめとし,様々な課題での胸郭形状変化の検証は新たな知見を得ることのできる可能性を十分含んでいるといえる.  そこで今回はデジタルカメラの画像を使用し,撮影した対象物を3 次元的に再現できる3D イメージメジャラーQM-3000を用い,健常成人一例を通して呼吸時の上部および下部胸郭の形状変化を捉えた.ここではその計測方法と計測結果に基づく分析も行ったので加えて解説する.
  • −呼吸運動の計測を臨床に生かすために−
    中 徹, 齋藤 裕子, 萩原 早保
    2012 年 36 巻 3 号 p. 142-150
    発行日: 2012年
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル フリー
    呼吸運動は歩行と同様に律動的な運動ではあるが,肋骨と横隔膜の複雑な動きで構成されている.従って呼吸運動を運動現象学的に測定するには,三次元動作解析装置や放射線による透視などが必要となる.しかし,これらは設備的な制限,生体への侵襲の大きさという点から臨床的利用としては実用性に乏しい.  本解説では,医療機関であれば設置されており,侵襲の少ない超音波診断装置を利用し,体表から簡易的に肋骨と横隔膜の動きを測定できる方法を提案する.超音波による測定は横隔膜で二つの方法が報告されているが,肋骨では報告が無い.本解説では肋骨と横隔膜を直接とらえる手法で得たデータと共に臨床応用できる測定方法を考えていきたい.
  • 金子 秀雄
    2012 年 36 巻 3 号 p. 151-156
    発行日: 2012年
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル フリー
    近年,体表から筋活動計測の困難な筋に対して超音波画像診断装置が活用されている.呼吸と関連の深い横隔膜や腹横筋はその対象であり,臨床現場では筋機能の補助診断に有用なツールとして応用されている.本稿では,超音波画像診断装置の基礎に触れながら呼吸筋である横隔膜と側腹筋の筋活動計測がどのように行われているかを概説した.また,超音波画像による筋活動計測は筋形態変化から筋活動を推定するため,その結果を単純に判断することができないことがある.この点について説明するとともに,先行研究を例示し解説を加えた.
  • 田中 一正
    2012 年 36 巻 3 号 p. 157-161
    発行日: 2012年
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル フリー
    Chest wall を形作るものは体幹そのものであり,重力に抗して勝ち取った立位姿勢と身体運動がヒトの呼吸効率ならびに酸素取り込み効率に最適になるにはどうしたらよいのであろうか.呼吸運動解析は,肺気量・換気量曲線・胸部腹部の呼吸パターン・呼吸数・鼻呼吸・気道音・動脈血酸素飽和・周囲径計測・圧センサ・X線検査・胸部CT・dynamic MRI・光学式3次元動作解析装置・ビデオ映像・加速度計状態・質問紙票等々多種多様な方法で検討されている.これらの文献を模索しながら,呼吸運動は精神と運動と身体要素が複雑に絡み合っている生命論的パラダイムすなわち機能の和としてとらえることが必要であることを考えてみたい.
研究
  • 二瓶 美里, 吉武 宏, 武澤 友広, 石渡 利奈, 井上 剛伸, 鎌田 実
    2012 年 36 巻 3 号 p. 162-171
    発行日: 2012年
    公開日: 2016/04/15
    ジャーナル フリー
    認知症は進行すると認知機能の低下によって情報端末などの電子機器の使用が困難になる.一方で情報端末は情報の記録からコミュニケーションまで様々な用途に使用されており,高齢者や認知症者の支援ツールとして期待されている.本研究では認知症者(アルツハイマー病患者)の認知機能特性と情報端末使用の実行可能性の関係を明らかにし,認知機能特性に合わせた情報端末の入力方式と情報呈示方法を提案した.アルツハイマー病患者13 名を対象とした操作・課題実行実験の結果,認知症が軽度(CDR0.5)であれば「文字入力」が可能だが「ボタン操作」や「記憶の想起」に関する一連の操作には補助が必要であることを確認した.また,高齢者20 名を対象とした「文字入力」「記憶の想起」に関する実験を行った.その結果,注意機能が低下すると使用経験に関わらずQWERTY 配列の操作がしづらくなることがわかった.さらに,逐次的な情報呈示,すなわち一画面内の情報量を制限し一画面内で完結した指示を行うことで,わかりやすさだけではなく近時記憶の想起が促されることがわかった.
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