2014 年 38 巻 1 号 p. 31-37
手は,人間の体において最も器用で巧みな作業を行うことができる部位である.器用なロボットハンドを実現する場 合,人間の手に近い自由度を持たせることが近道であるが,アクチュエータや動力伝達機構のため,人間の手の大きさよりも大きく重くなってしまう.そこで,各指の開閉に必要な自由度等を減らし,また,機械でのみ実現できる機能や機構を付与することで,人間の手のような器用さや巧みさを保持しながら,同程度の大きさや重さに近づけている.本稿では,最新の研究動向や開発動向を交えながら,さまざまな特徴を持つヒト型多指ロボットハンドを紹介する.