2016 年 40 巻 1 号 p. 25-30
近年では,欧州を中心に自動車の内装質感に対するお客様の期待が高まり,自動車メーカーではどのように質感を向上 させるかが課題となっている.一方,以前のマツダ車の内装質感は,市場からの評価が低く厳しい状況であった.1999年より, 全社一体で「クラフトマンシップ」向上の取り組みをスタートさせ,評価の体系化や基準設定を行い,コンセプト,戦略作成 も含め活動してきた.その中で,感性工学を適用した質感の定量化や質感向上の技術開発を積み重ねてきている.それらの技 術をマツダ車へ織り込むことで,少しずつではあるが,お客様からの評価も向上してきた.実際の自動車の内装開発の現場で 行ってきた,感性工学の適用事例の一部を紹介する.