抄録
著者は千葉大学工学部でプロダクトデザインを専攻し,卒業後企業にて40年以上に亘って商品開発のためのプロダク トデザインに携わってきた.ここでは著者の主分野である最近のプロダクトデザインについての意見を述べる.デザインはそ の時代の最先端の技術や材料,社会の指向,経済の状況,人々の考え方の変化など社会の様々なものを背景にしながら将来の 世界の人々に必要なものを考察し,創作し,産業化して世に提案するものである.なによりも人々の未来の生活を豊かにする ものでなければならない.ところが,最近のデザインはその本来の目的を見失ったかのように価値観がふらついているのでは ないかと思っている.