抄録
我々は,高い剛性を仮定していた従来のロボティクス理論を拡張し,剛体(外骨格)とガススプリング,剛体と超弾性体,マニピュレータとフリージョイント,MR 流体と柔軟体(バネ),マニピュレータ及び生体力学といったような剛性の高い機構と柔軟性を有する機構とを合理的に組み合わせるための力学的理解に基づくロボティクス理論の構築を目指している.すなわち,所望のタスクに対して,ロボット関節の動作目標が何であるかを力学的に明らかにし,それを数学的に定式化した上で,機構の仕様と制御方策を提供する新しいロボティクス理論(=スマートメカニクス)である.ここでは,その背景について述べるとともに,これらによる人を支援するロボット支援機器への応用について述べる.