抄録
我々の身体運動制御は,視覚をはじめとする種々の感覚フィードバックにより高い精度を実現する.しかし,感覚フィー
ドバックの遅れ時間は150 ms 以上に及び,スポーツや楽器演奏など,迅速な運動の遂行時には有効に機能しえない.そのため,様々な運動制御系は感覚フィードバックに頼らない予測性制御も行っている.本稿では,そうした生体における予測性制御の中でも,スポーツ選手のパフォーマンスにも大きく寄与することが示唆されている眼球運動制御系と,それに付随して機能する焦点調節制御系および瞳孔制御系について解説する.