2022 年 14 巻 3 号 p. 285-288
症例の概要:患者は61歳の女性.歯の動揺を主訴に来院した.重度歯周炎による歯の動揺に起因する咀嚼障害と診断し,保存不可能な歯を抜歯し,治療用義歯を装着した.歯周外科手術後,上下顎に磁性アタッチメントを使用したオーバーデンチャーを装着したことにより咀嚼機能は改善した.治療終了後5年8か月経過し,顎位および残存歯の歯周組織は安定している.
考察:残存歯の動揺の改善には,歯周治療に加えてオーバーデンチャーにすることで支台歯の歯冠歯根比を改善し,支台歯に対する側方力を減じたことが有効であったと考えられる.
結論:磁性アタッチメントを用いたオーバーデンチャーの装着により長期的に良好な経過が得られた.