抄録
体育・スポーツ科学では,トップアスリートなどの特徴的な個人を対象とする研究報告も少なくなく,単一の個人を複数回測定したデータを分析することも多い.同一個人から複数回測定したデータから,個人特性(個人差)を考慮しつつ,一般的な傾向を見いだすための統計解析法として「対応のあるt 検定」や「反復測定の分散分析」がある.しかし,これらの統計解析は厳密には個人差を十分に反映したモデルとは言い難い.本稿では,反復測定の分散分析を例に,どのように個人差が処理されているのかを解説し,個人差を反映した統計モデルとその結果の有用な活用方法を紹介する.