2018 年 42 巻 4 号 p. 211-218
痙縮は運動速度依存的な筋伸張反射の亢進状態であり,リハビリテーションを阻害する要因のひとつとなっている.痙縮の治療として運動療法や物理療法のほか神経ブロックを含む薬物療法が行われており,その効果を検証した報告も多い.痙縮に対する適切なリハビリテーションや治療効果の検証には,客観的で信頼性と妥当性の高い評価尺度が必須であるが,現状ではModified Ashworth Scale などの手技による主観的な評価方法が主流である.生体工学的な評価方法もこれまでに多く報告されてきたが臨床普及には至っていない.本稿では痙縮評価の徒手的手法および生体工学的手法を紹介し,それぞれの特徴と課題について解説する.