バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
研究
重度障害児用牽引型歩行器電動化装置「B-GO」の開発
相原 茂武智 あかね池内 秀隆 後藤 保広松野 奈帆池田 喜一徳丸 聖久酒井 良磨
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 43 巻 1 号 p. 55-60

詳細
抄録

重い障害を持つ児童は,自ら動く・移動することが難しいため,その経験が乏しくなりやすい.自らの意思で動く経験は,周囲の環境への興味・意欲の向上に役立ち,社会性や関心が育っていく過程で重要である.歩行器電動化装置「B-GO」は,重度障害児が自発的に移動するために歩行器や車いすを牽引するために開発された.本稿では,装置の概要と開発組織,背景について説明し,装置の評価と今後の課題などについてまとめた.開発にあたっては,別府発達医療センターを中心に開発メーカーおよび産学官のプロジェクトチームからなるワーキンググループが組織された.臨床使用で試作機を複数の障害児に使用してもらい,外界への興味が高まったと考えられる結果を得た.最終的な製品は350 mm× 300 mmで,質量は約9 kg となった.

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top