日本は 65 歳以上の高齢者の総人口比率が 2021 年時点で 29% を超え世界でも類を見ない超高齢国家となっている.その結果,少子高齢化に伴う人口動態の変化によって,介護を必要とする人が増加する一方で介護をする人材不足が大きな社会問題となっている.そこで,経済産業省と厚生労働省が中心になり,高齢者の自立支援と介護者の負担軽減を実現することを目的に,世界に先駆けロボット介護機器の開発・導入・普及プロジェクトが進められてきた.本論文では,国家プロジェクトの活動内容を紹介するとともに,プロジェクトの成果とロボット介護機器の普及に向けた今後の展望を述べている.