抄録
筋力トレーニングを行う場合,筋疲労を客観的に評価するシステムを用いることは重要である.本研究では等速性膝 伸展時のトルクと大腿四頭筋の筋電図および筋音図を計測し,膝伸展トルクと他の値が統計学的に近似した変動となるか明ら かにすることを目的とした.健常成人男女 30 名は最大努力で等速性膝伸展運動(60 deg /秒)を 50 回行い,記録されたト ルク,筋電図,筋音図の変動を平行線検定により分析した.その結果,トルクと平行性が証明されたのは外側広筋筋音図のみ であった.膝伸展抵抗運動などのような日常的に行われる筋力トレーニングの場面で,筋音図を用いれば筋疲労の程度を定量 的かつ簡便に評価することができる可能性がある.