バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
47 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
研究
  • 和久井 健吾, 牛山 幸彦, 佐藤 悠樹
    2023 年 47 巻 1 号 p. 45-53
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル フリー
    本研究では,漸増負荷ペダリング運動中における筋電図閾値に対応する運動強度の前後において,筋シナジー解析によって抽出された運動モジュールの比較を行うことで,当該運動中における下肢筋活動の制御様相の変化を調査した.実験では,男性自転車競技者10名に対して連続的漸増負荷ペダリング運動を実施した.試技中に計測された下肢9筋の筋電位を用いて,筋シナジー解析とEMG再構成精度ベクトルを用いたクラスター分析を行った.その結果,筋電図閾値以上の運動強度において,それまでとは異なるモジュールセットが動員されていることが示され,漸増負荷運動中における下肢筋活動の制御様相の変化が筋電位増加率上昇の要因である可能性が示唆された.
  • 東島 涼香, 姜 銀来, 横井 浩史, 東郷 俊太
    2023 年 47 巻 1 号 p. 54-62
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル フリー
    ヒトやロボットは捕球動作が可能であるが,人間機械協調系の電動義手ハンドによる捕球は困難である.本研究の目的 は,ヒトの捕球動作を観察することで捕球動作に適した捕球形態を同定し,ロボットハンドの捕球形態に応用することである. ヒトを対象とした,自由落下するボールを手先で捕球する実験の結果,捕球形態は 5 種類に分類された.その中で捕球成功率 が高い捕球形態は,最初に掌遠位にボールを接触させ,握力把持に至る形態であり,母指と小指の対向性が重要であると結論 づけた.同定した捕球形態をロボットハンドへ応用した結果,捕球成功率が劇的に増加した.以上の結果は,母指と小指を対 向させられるロボットハンドによって,電動義手による捕球動作が実行可能であることを示唆する.
  • 河島 隆貴, 石田 弘, 福原 真一, 末廣 忠延, 吉村 洋輔, 岡田 裕
    2023 年 47 巻 1 号 p. 63-70
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/08
    ジャーナル フリー
    筋力トレーニングを行う場合,筋疲労を客観的に評価するシステムを用いることは重要である.本研究では等速性膝 伸展時のトルクと大腿四頭筋の筋電図および筋音図を計測し,膝伸展トルクと他の値が統計学的に近似した変動となるか明ら かにすることを目的とした.健常成人男女 30 名は最大努力で等速性膝伸展運動(60 deg /秒)を 50 回行い,記録されたト ルク,筋電図,筋音図の変動を平行線検定により分析した.その結果,トルクと平行性が証明されたのは外側広筋筋音図のみ であった.膝伸展抵抗運動などのような日常的に行われる筋力トレーニングの場面で,筋音図を用いれば筋疲労の程度を定量 的かつ簡便に評価することができる可能性がある.
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