抄録
感覚代行装置は,60 年代に開発された視触覚代行技術(TVSS: tactile vision substitution system)を端緒としており,このシステムは全盲者に対して物体形状を背中に振動呈示するものであった . これらの取り組みは実用までには至らなかったが,感覚代行の特質を説明する多くの知見が得られた . 近年では,より精巧な刺激呈示器・小型センサを用いた研究開発が進展しており,行動学的検証,感覚間可塑性に関わる脳機能イメージング解析等が行われている.この原理や技術は , 運動制御や学習を扱うリハビリテーション分野への展開も進んでおり,著者らは脳卒中感覚麻痺の補完を意図した体性感覚型バイオフィードバックシステムに応用してきた.本稿では,各階層で進行している研究成果を概観しつつ,著者らが取り組んでいる姿勢や歩行を対象としたバイオフィードバック技術について解説する.